この記事は2025年8月に公開し、最新の情報をもとに随時更新しています。(最終更新:2026年3月)
楽天に出店している人なら共感してもらえると思います。RMS(楽天の店舗管理システム)は使いにくいです。EC支援の仕事を長年やっていて、クライアントからも「RMSが辛い」という声をよく聞きます。ただ、楽天のマーケットプレイスとしての集客力は国内トップクラスです。やめるわけにはいかないので、付き合い方を工夫するしかありません。
この記事では、RMSの具体的な辛さと、それに対して自分がどんな工夫をしているかを書きます。同じ悩みを持っている楽天出店者の方の参考になればと思います。
RMSの何が辛いか
まずUIが古いです。管理画面のデザインが今の基準で見ると古めかしく、直感的に操作できない部分が多いです。メニューの階層が深くて、目的の機能にたどり着くまでに何回もクリックが必要です。初めてRMSを触る人は、まずメニュー構造を把握するだけで半日かかります。
操作がわかりにくいのも辛い。同じ情報を複数の場所に入力する必要があったり、設定項目の名称が楽天独自の用語だったりします。たとえば「目玉商品」「イチオシ商品」「おすすめ商品」の違いがわかりにくいです。ヘルプを読んでも、すぐには理解できません。楽天の歴史的な経緯で残っている機能や名称が多く、整理されていない印象があります。
特に商品登録が大変です。1商品あたりの入力項目が非常に多いです。商品名、キャッチコピー、PC用商品説明文、スマホ用商品説明文、カテゴリ設定、タグ設定、画像登録(最大20枚)、価格設定、送料設定、ポイント設定、在庫設定。複数のSKU(サイズ違い、色違いなど)がある商品だと、さらにバリエーション設定が加わります。1商品の登録に30分以上かかることもざらです。
ページの読み込みも遅い。商品一覧を表示するだけで数秒待たされることがあります。大量の商品を扱っている店舗だと、この待ち時間の積み重ねは相当なストレスです。100商品の情報を確認するのに、ページ遷移の待ち時間だけで10分以上かかることもあります。
レポート機能も使いにくい。データは取れるのですが、見やすく整理されていません。売上推移、アクセス解析、広告効果です。それぞれ別の画面にあって、横断的に分析しようとすると手間がかかります。結局、CSVでダウンロードして自分でスプレッドシートやBIツールで加工した方が速いです。Amazonのセラーセントラルやヤフーのストアクリエイターと比べても、楽天のレポート機能は見劣りします。
最近のRMS改善状況
とはいえ、楽天もRMSの改善を進めています。最近はバージョンアップが頻繁に行われていて、少しずつUIが改善されつつあります。商品編集画面が刷新されたり、スマホでの管理がしやすくなったりしています。完全に使いやすくなったとは言えませんが、数年前と比べるとだいぶマシになった印象です。
2026年1月にはログインフローが大幅にリニューアルされました。3段階認証が導入されて、セキュリティは向上しています。ただ、ログインの手間が増えたのは事実です。毎日何度もログインする運用者にとっては、少し面倒に感じるかもしれません。2026年3月18日以降は新しいログインフローが必須になるので、まだ対応していない方は早めに確認することをおすすめします。
楽天大学やコールセンターによるサポート体制も充実してきています。わからないことがあればコールセンターに電話すれば教えてもらえるし、楽天大学の動画教材で学ぶこともできます。ただ、「サポートがあるから使いやすい」と「UI自体が使いやすい」は別の話です。根本的なUIの改善は、まだ道半ばという印象です。
自分なりの付き合い方
いくつかの工夫で、RMSのストレスを大幅に減らしています。
まず、商品情報はスプレッドシートで一元管理しています。RMSに直接入力するのではなく、Googleスプレッドシートで情報を整理してからCSVで一括アップロードする方法です。これだけで商品登録の時間が半分以下になりました。スプレッドシートならコピーペーストも楽だし、複数商品の情報を横断的に確認・編集できます。RMSの管理画面で1商品ずつ編集するよりも、はるかに効率的です。
CSV一括アップロードの具体的な方法は、RMSの「CSVダウンロード・アップロード」機能を使います。まず現在の商品データをCSVでダウンロードして、スプレッドシートに取り込みます。必要な修正を加えて、再度CSVでアップロードします。最初の設定は少し手間がかかりますが、一度フローを確立してしまえば、あとは繰り返すだけです。
次に、EC一元管理ツールの活用です。楽天だけでなく、Amazonやヤフーショッピングにも出店している場合は、ネクストエンジンやクロスモールなどの一元管理ツールを使うと、在庫管理や受注処理が大幅に楽になります。受注データの取り込み、在庫の自動連携、配送伝票の一括発行ができます。これらをRMSの管理画面で個別にやっていたら、何時間あっても足りません。
一元管理ツールの月額コストは数万円かかりますが、複数モール運営をしているなら、人件費の削減効果で十分にペイします。自分が支援しているクライアントの中で、複数モール展開していて一元管理ツールを入れていない店舗は、ほぼありません。
受注処理はなるべく自動化しています。RMSの自動送信メール設定を活用して、注文確認メール、発送完了メール、フォローアップのメールを自動送信しています。手動で対応するのは、問い合わせがあった注文や、ギフトラッピングなど特殊な対応が必要な注文だけです。「例外だけ対応する」という運用にすると、日次の受注処理は30分以内で終わります。
AIを使った楽天運用の効率化
最近はAIも楽天運用に活用しています。一番効果を実感しているのが、商品説明文の作成です。
商品の特徴、スペック、写真の情報をAIに渡して「楽天向けの商品説明文を作って。SEOを意識して、ターゲットキーワードは○○で。箇条書きと本文を組み合わせて、スマホでも読みやすい構成にして」と依頼。ゼロから書くと1商品あたり30分〜1時間かかる商品説明文が、AIを使うと10〜15分で仕上がります。
もちろん最終チェックと微調整は自分でやります。AIが出す文章は正しいけれど平凡になりがちなので、自社の強みや、競合との差別化ポイントを自分の言葉で追加します。ドラフト作成の時間を大幅に短縮しつつ、仕上げは人間が行う。この分業が一番効率的です。
レビュー分析にもAIを使っています。自社商品のレビューを全件AIに渡して、「ポジティブな意見とネガティブな意見を分類して、改善すべきポイントを3つ挙げて」と依頼。100件のレビューを人間が全部読むのは大変だけど、AIなら数分で傾向を出してくれます。改善点が明確になるし、商品ページの訴求ポイントの見直しにも役立っています。
競合分析にも使えます。楽天の検索結果で上位に表示されている競合商品の情報をAIに渡して、「自社商品と比較して、訴求で負けているポイントは?」と聞く。価格、レビュー数、商品説明の充実度、画像の質。客観的な視点でフィードバックをもらえるので、改善の方向性が見えやすくなります。
楽天市場との付き合い方
正直なところ、RMSの使いにくさだけを理由に楽天を離れるのは得策ではありません。楽天の集客力は依然として国内トップクラスで、特に食品、ギフト、日用品のカテゴリでは圧倒的な強さがあります。楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどのイベント時の集客力は、自社ECサイト単独では到底かないません。
大事なのは、RMSと直接格闘する時間を最小限にすることです。データ管理は外部ツールで。商品情報はスプレッドシートで。文章作成はAIで。受注処理は自動化で。RMSは「最終的にデータをアップロードして、注文を処理する場所」として割り切る。この考え方にしてから、楽天運用のストレスはかなり減りました。
楽天に限らず、プラットフォームの使いにくさは自分では変えられないことがあります。変えられないものに腹を立てるよりも、自分の側の仕組みを変える方が建設的です。ツールは使いこなすものであって、振り回されるものではありません。
楽天運営のコスト最適化
RMSの使いにくさに対する工夫と合わせて、楽天運営全体のコスト最適化も考えています。楽天の出店料、システム利用料、ポイント原資負担。これらのコストを把握した上で、利益が出る商品構成と価格設定を維持することが重要です。
RMSのレポート機能が使いにくいからといって、分析をサボるわけにはいきません。CSVでデータをダウンロードして、スプレッドシートやAIで分析します。この手間を惜しまないことが、楽天で利益を出し続けるための基本です。
楽天に限った話ではありませんが、プラットフォームビジネスでは「使いにくいシステムとの共存」は避けられません。Amazonのセラーセントラルも、ヤフーのストアクリエイターProも、それぞれに癖があります。大事なのは、システムの不満を愚痴るのではなく、自分の側の仕組みを整えて、システムとの接触時間を最小限にすること。その考え方が、EC運営のストレスを大幅に減らしてくれます。
楽天出店者へのアドバイス
EC支援の仕事で多くの楽天出店者と接してきた経験から、RMSとの付き合い方についてアドバイスを書いておきます。
まず、最初から完璧を目指しません。RMSの全機能を使いこなそうとすると疲弊します。最初は商品登録と受注処理だけ覚えれば十分。広告やクーポンの設定は売上がある程度安定してからで構いません。段階的に機能を覚えていく方が、挫折しにくいです。
次に、楽天のサポートを活用します。コールセンターは意外と親切です。「この機能の使い方がわからない」と電話すれば、丁寧に教えてくれます。楽天大学の動画教材も充実しているので、基本的な操作は独学で習得できます。
そして、仲間を作りましょう。楽天出店者のコミュニティやFacebookグループに参加すると、同じ悩みを持つ人から実用的なノウハウを得られます。RMSのTipsは、公式ドキュメントよりも経験者の口コミの方が実用的なことが多いです。
