AIで議事録を取るようになって会議が変わった

会議の議事録を取るのが苦手でした。話を聞きながらメモを取ると、どちらも中途半端になります。かといって録音して後から聞き直すのは時間がかかりすぎます。

AIで議事録を取るようにしてから、この問題がかなり解消されました。やり方と、そこから起きた変化を詳しく書きます。

以前の議事録の取り方

以前はノートPCでメモを取りながら会議に参加していました。でも、これだと話を聞くことに集中できません。大事な発言を聞き逃すこともありますし、メモの精度も低いです。後で読み返すと「これ何の話だっけ?」と思うメモが半分くらいあります。

録音して後から聞き直すやり方も試しました。1時間の会議の録音を聞き直すのに、やっぱり1時間近くかかります。しかも聞き直すのが面倒で、結局やらないことも多いです。録音データだけが溜まっていきます。

議事録を書く専任の人がいれば解決しますが、少人数のチームでは全員が発言者です。書記を置く余裕がありません。かといって、持ち回りで書記をやると、その人は議論に参加できなくなります。どうやっても誰かが犠牲になる仕組みでした。

結局、議事録を取らない会議が増えていきました。すると「あの件、どう決まったんだっけ?」「そんな話は聞いていない」というトラブルが頻発します。言った言わないの問題は、小さな会社にとって致命的です。

AIで議事録を取る方法

自分のやり方はシンプルです。特別な機材や高額なサービスは使っていません。

  1. 会議を録音する(Zoomの録画機能やボイスレコーダー)
  2. 録音データをAIの文字起こしサービスに渡す
  3. 文字起こしのテキストをChatGPTに渡して、議事録の形に整えてもらう
  4. 自分で内容を確認し、修正・加筆する

文字起こしにはWhisperやNottaなどのサービスを使っています。日本語の認識精度はまだ完璧ではありませんが、8〜9割は正確に拾ってくれます。固有名詞や専門用語は間違えることがありますが、文脈はちゃんと掴んでくれます。

文字起こしが終わったら、そのテキストをChatGPTに「議事録にまとめてください。決定事項とアクションアイテムを明記してください」と指示します。GPT-4oの精度はかなり高くて、重要なポイントを的確に拾ってくれます。雑談と本題の区別もできますし、複数の議題を自動で分類してくれます。

Zoomを使っている場合は、録画終了後に自動で文字起こしが生成される機能もあります。この場合はステップ2を省略して、直接ChatGPTに渡せます。

AIに渡すプロンプトの工夫

ただ「議事録にして」と渡すだけだと、情報の取捨選択が甘くなります。自分が使っているプロンプトの要点を共有します。

まず、出力形式を指定します。「以下の構成で出力してください。1. 会議概要(日時・参加者・目的)、2. 議論の要点、3. 決定事項、4. アクションアイテム(担当者・期限)、5. 次回の議題」。この形式を指定するだけで、使える議事録になります。形式が決まっていると、読む側も情報を探しやすいです。

次に、不要な情報を除外します。「雑談やアイスブレイクの内容は省略してください」と伝えます。文字起こしには会議前の雑談も含まれるので、これを入れないと議事録が膨れ上がります。天気の話やランチの話は議事録には不要です。

そして、曖昧な表現を明確にしてもらいます。「『検討する』ではなく、具体的に何をいつまでにやるかを明記してください」。これで実行につながる議事録になります。「検討する」で終わると、誰も何もやりません。「田中さんが7月15日までに見積もりを3社から取得する」。ここまで具体的に書いてあれば、確実にアクションが生まれます。

もう1つ、自分がよく使うのは「重要度が高い順に並べてください」という指示です。議題が5つあった場合、AIが文脈から重要度を判断して並べ替えてくれます。議事録を読む時間がない人でも、上から順に読めば大事なことがわかります。

人間のチェックは必須です

AI任せにしてはいけない部分があります。ここを怠ると、間違った議事録が一人歩きすることになります。

まず、固有名詞の間違いです。人名や会社名、サービス名をAIが聞き間違えることがあります。特に日本語の人名はミスが多いです。「吉田」が「よしだ」に変換されるのはまだいいほうで、全く違う漢字になることもあります。ここは目視で確認が必要です。

次に、ニュアンスの違いです。「やってもいい」と「やるべきだ」では意味が全然違います。AIは発言のトーンを読み取れないことがあるので、決定事項の強度は人間が判断します。「前向きに検討する」が「やると決めた」になっていたり、「難しいかもしれない」が「不可能」になっていたりします。ここは要注意です。

また、非言語の情報です。表情や声のトーンから読み取れる「本音」はAIには伝わりません。「賛成」と言いながら明らかに乗り気でなかった、という情報は人間が補完する必要があります。議事録に「(要フォロー)」とメモを追加しておきます。

数字の間違いも見逃せません。「10万円」と「100万円」の聞き間違いは致命的です。金額、日付、数量に関する部分は、必ずダブルチェックします。AIの文字起こしは「数字に弱い」と思っておいたほうがいいです。

会議の進め方が変わりました

AIで議事録を取るようにしてから、会議の進め方自体が変わりました。これが一番大きな副次的効果です。

まず、「記録される」という意識が生まれます。会議の内容がすべて記録されると知ると、参加者の発言が具体的になります。「なんとなくこう思う」ではなく「こうしたい、理由はこうだ」という発言が増えました。曖昧な発言が減った分、議論の質が上がりました。

次に、会議後のアクションが明確になりました。以前は「あれ、あの件どうなったっけ?」ということが多かったです。AIが作った議事録にアクションアイテムと担当者が明記されているので、フォローアップが楽になりました。翌週の会議の冒頭で「前回のアクションアイテムの進捗確認」から始められます。

そして、会議の時間が短くなりました。議事録に記録されると思うと、無駄な話が減ります。本題に集中するようになるので、自然と会議時間が短縮されます。以前は1時間かかっていた定例が、40分で終わるようになりました。

もう1つ、欠席者への情報共有が格段に楽になりました。以前は「昨日の会議で何が決まったの?」と聞かれるたびに口頭で説明していました。今は議事録のリンクを送るだけです。5秒で完了します。

コストと手間

文字起こしサービスは、無料プランでも月に数時間は使えます。Nottaの無料プランは月120分までです。週に2〜3回の会議なら、無料プランで足りることも多いです。

ChatGPTは有料プラン(月20ドル)を使っていますが、議事録以外にもいろいろ使っているので、議事録だけのコストとしてはかなり安いです。月20ドルで議事録の悩みから解放されるなら、十分な投資だと思います。

手間としては、録音→文字起こし→AI整形→人間チェックで、1時間の会議の議事録が15〜20分で完成します。以前は1時間以上かかっていたので、大幅な時間短縮です。しかも、チェック作業は移動中やスキマ時間にスマホでできます。

おすすめの使い方

すべての会議でAI議事録を取る必要はありません。自分が特に効果を感じているのは以下の3つのケースです。

1つ目は、クライアントとの打ち合わせです。認識のずれを防ぐために、議事録を共有します。「言った・言わない」がなくなります。契約条件や仕様の確認など、後から揉めやすい話題は特に記録が大事です。

2つ目は、ブレインストーミングです。アイデアが次々出る場面では、手動でメモを取るのが追いつきません。AIなら全部拾ってくれます。後から見返すと「あのとき出たあのアイデア」を掘り起こせます。

3つ目は、意思決定が多い会議です。複数の議題で結論を出す会議は、後から「あの件はどう決まったっけ?」となりやすいです。AI議事録があると安心です。特に、複数のプロジェクトが並行しているときは、どの会議でどの決定がされたかを後から追えるのが助かります。

始めるためのファーストステップ

「やってみたいけど何から始めれば?」という人に、最小限のステップを提案します。

まず、次の会議でZoomの録画をオンにします。それだけでいいです。会議が終わったら、録画ファイルの音声部分をChatGPTに渡します。音声ファイルを直接アップロードできるので、文字起こしサービスすら不要です。「この音声の議事録を作ってください」と指示するだけです。

5分で議事録が出来上がります。その議事録を確認・修正して、参加者に共有します。これを1回やってみれば「こんなに楽なのか」とわかるはずです。

まとめ

AIで議事録を取るのは、特別な技術やツールは要りません。録音して、文字起こしして、AIに整えてもらいます。それだけです。

自分の場合、議事録作成の時間が4分の1になっただけでなく、会議そのものの質が上がりました。記録されるという意識が、参加者の行動を変えるからです。決定事項が明確になり、フォローアップが楽になり、「言った言わない」がなくなります。

まだ試していない人は、次の会議で録音だけでも始めてみてください。その録音をAIに渡すだけで、驚くほどしっかりした議事録ができあがります。

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