ブログを始めて気づいた「書くこと」の効用

このブログを始めて数ヶ月が経ちました。正直に言うと、始めた動機は「SEOに良さそうだから」「発信しないと存在を知ってもらえないから」という打算的なものでした。ところが書いているうちに、想定していなかった効果がいくつも出てきました。

この記事では、ブログを書くこと自体が仕事にどう好影響を与えているかをまとめます。

頭の中が整理される

「AIの使い方」「EC運営のコツ」「経営の考え方」。普段なんとなく考えていることを文章にするためには、構造化する必要があります。

頭の中にある考えは、実はかなりモヤっとしています。「AIは便利だ」と漠然と思っていても、「なぜ便利なのか」「どの場面で特に効果があるのか」「限界はどこか」を言語化しようとすると、自分の理解が曖昧な部分が露呈します。

書くことで初めて「自分はこう考えていたのか」と気づきます。これは思考の棚卸しだと思っています。棚卸しをすると、在庫(知識)の状態が正確にわかります。何が足りていて、何が足りないのかが見えてきます。

自分の場合、1記事書くのにだいたい2〜3時間かかります。そのうち半分は「自分の考えを整理する時間」で、書くこと自体が思考のトレーニングになっています。

頭の整理という点で、具体的なエピソードを1つ。AIについての記事を書こうとしたとき、「AIは業務効率化に役立つ」と漠然と思っていました。でも記事にするために「具体的にどの業務で、何分短縮されたか」を整理したら、自分が思っていた以上に効果の出ている業務と、思ったほど効果が出ていない業務があることに気づきました。この気づきがなければ、効果の薄い業務にAIの利用料を払い続けていたかもしれません。

知識が定着する

人に教えることで一番学ぶのは自分自身、とよく言われます。ブログはまさにそれです。

記事を書くために調べ直すことで、曖昧だった知識が明確になります。たとえば「景品表示法」の記事を書いたとき、自分でも知っているつもりでしたが、改めて消費者庁のサイトを読んで「確約手続きの導入」とか「課徴金制度の拡充」とか、知らなかった最新情報がいくつも見つかりました。

書かなければ「なんとなく知っている」で終わっていました。書くことで「正確に知っている」に変わります。この差は、クライアントに説明するときの説得力に直結します。

知識の定着でもう1つ例を挙げると、送料設定の記事を書いたときのことです。「送料は安いほうがいい」と何となく思っていましたが、記事を書くために数字を整理したら、送料無料にすると客単価が低い注文が増えて利益率が下がるケースがあることを再認識しました。知っていたはずのことでも、書いてみると見え方が変わります。

過去の自分が助けてくれる

これは予想していなかった効果です。自分が書いた記事が、自分の仕事のリファレンスになっています。

たとえばクライアントから「送料の設定、どうしたらいいですか?」と聞かれたとき、以前書いた送料の記事のURLを送ればいい。毎回ゼロから説明する手間が省けます。

社内向けのマニュアルを書くよりも、ブログ記事のほうが「読みやすく」書いているので、クライアントにもそのまま共有できます。一石二鳥です。

リファレンスとしての活用で具体的にどれくらい時間が節約できたかというと、クライアントから同じような質問を月に3〜4回受けます。毎回30分かけて説明していたのが、記事のURLを送って「詳しくはこちらを」で済みます。月に1.5〜2時間の節約です。年間にすると20時間以上。記事1本書くのに2〜3時間かかりますが、何度も参照される記事は確実にペイします。

信頼につながる

まだ記事数は少ないですが、ブログを見てくれた人から連絡が来るようになりました。「AIの活用について相談したい」「ECの運営を手伝ってほしい」。

営業をかけなくても、記事を読んで「この人なら信頼できそう」と思ってもらえます。発信は信頼の蓄積だと実感しています。

自分は営業が得意ではありません。電話営業も飛び込み営業もやりたくありません。ブログは、自分のような営業が苦手な人間にとって、最も負担の少ない営業活動だと思います。書いた記事が24時間365日、自分の代わりに営業してくれています。

信頼の蓄積について補足します。問い合わせの内容を分析すると、ブログ経由の問い合わせは成約率が高いです。理由は明確で、記事を読んだ時点で「この人がどんな仕事をしているか」「どんな考え方をしているか」がわかっているからです。初対面でゼロから信頼関係を築く必要がありません。営業コストがゼロで、しかも温度の高い見込み客が来ます。これ以上効率の良い集客方法は、自分の規模の会社では思いつきません。

「考える力」が鍛えられる

ブログを書き始めてから、日常のなかで「これはネタになるかも」と考えることが増えました。クライアントとのやりとり、自分が試した新しいツール、仕事で失敗したこと。すべてが記事の素材になり得ます。

この「ネタを探す視点」が、実は仕事そのものに好影響を与えています。物事を観察する解像度が上がった感覚があります。以前なら見過ごしていた小さな気づきを、言語化できるようになりました。

継続するための工夫

正直、毎週書くのは大変です。「今週は書くことがない」「忙しくて時間がない」と思う週もあります。それでも続いているのは、いくつかの工夫のおかげだと思っています。

工夫1:完璧を目指さない

60点の記事でも、出さないよりマシです。後からいくらでも修正できます。最初から100点を目指すと、いつまでも公開できません。

自分は「公開してから修正する」スタイルでやっています。実際、過去の記事も読み返して加筆修正することがあります。ブログは本と違って、いつでもアップデートできるのが強みです。

工夫2:ネタを常にメモしておく

思いついたらスマホのメモアプリに一行書きます。「送料の決め方で困っていた」「Geminiの連携が便利だった」。一行でいいです。書くときにゼロから考えるのは辛いですが、メモがあれば書き始めるハードルが下がります。

自分はObsidianにネタリストを作っていて、今30個くらいストックがあります。これだけあると「書くことがない」という事態にはなりません。

工夫3:AIを下書きに使う

ゼロから全部自分で書くのは大変なので、AIに構成案を出してもらうことがあります。「こういうテーマで記事を書きたい。構成案を5つのセクションで出して」と頼んで、それをベースに自分の言葉で書き直します。

ただし、AIの出力をそのまま使うことはありません。AIが書く文章は「きれいだけど個性がない」ので、自分の経験や具体的なエピソードを必ず入れます。読者が読みたいのは、AIでも書ける一般論ではなく、「この人はこうしている」という実体験だと思っています。

工夫4:書く時間を決める

自分は毎週木曜の午前中をブログの時間にしています。カレンダーにブロックしておいて、その時間は他の予定を入れません。「空いた時間に書こう」だと、いつまでも書きません。時間を決めるのが一番確実です。

書く時間については、もう少し詳しく書きます。自分の場合、木曜の午前中と決めていますが、実際には前日の水曜夜にネタを選んでおきます。「明日はこれについて書こう」と決めておくと、寝ている間に無意識で構成が整理される感覚があります。朝起きてすぐ書き始められるので、このルーティンが自分には合っています。

執筆のプロセスは、構成メモ(10分)→下書き(60分)→推敲(30分)→公開(5分)。計2時間弱です。AIに構成案を出してもらう場合は、下書きの時間が半分くらいに短縮されます。ただし推敲の時間は変わりません。むしろAIの文章を自分の言葉に直す作業が入るので、やや長くなることもあります。

ブログとSNSの違い

SNS(XやInstagram)でも発信はできます。でもブログとSNSでは、性質が違います。

SNSは「フロー型」の情報で、投稿は流れていきます。過去の投稿を読み返す人は少ないです。ブログは「ストック型」の情報で、検索経由で何年も読まれ続ける可能性があります。

自分がブログを選んだのは、ストック型の資産を作りたかったからです。1記事書けば、それが半永久的に自分の代わりに発信し続けてくれます。短期的なバズよりも、長期的な蓄積を重視しています。

SEOの効果は地味だけど確実

ブログを始めた動機の1つはSEOでした。数ヶ月書いてみた結果を正直に報告します。

アクセス数は最初の2ヶ月はほぼゼロでした。検索に引っかかるようになったのは3ヶ月目くらいからです。それでも月間PVは最初は3桁程度でした。半年経った今でも爆発的なアクセスがあるわけではありません。

ただし、特定のキーワードで検索上位に入る記事がいくつか出てきました。「EC 送料設定」「AI プロンプト 書き方」のようなニッチなキーワードで上位表示されると、少ないアクセスでも質の高い見込み客が来ます。月に数件でも、そこから仕事につながれば十分な効果です。

SEOで意識しているのは、タイトルに具体的なキーワードを入れること、見出しを適切に設定すること、1記事に1テーマに絞ること。この3つだけです。テクニカルなSEO対策は深追いしていません。コンテンツの質で勝負するほうが、長期的には効果があると思っています。

Google Search Consoleでデータを見ると、記事が検索結果に表示され始めるのは公開から2〜4週間後です。上位に定着するまでには2〜3ヶ月かかります。即効性はありませんが、一度上位に入れば安定的にアクセスが来ます。広告と違って、お金を止めたらゼロになるということがありません。これがストック型コンテンツの強みです。

まとめ

ブログは、読んでくれる人のためだけでなく、書いている自分のためにもなります。頭の整理、知識の定着、信頼の蓄積、思考力の向上。始める前は想像していなかった効果がいくつもありました。

始めてよかったと素直に思っています。完璧じゃなくていいから、まずは書いて出す。そのうち習慣になります。自分もまだ模索中ですが、続けていきたいと思います。

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