在宅ワークを本格的に始めて数年が経ちました。その間に作業環境を少しずつ整えてきて、ようやく「これで落ち着いた」という構成になりました。同じように在宅で仕事をしている方の参考になればと思い、現在の環境を詳しくまとめます。
現在の作業環境の全体像
まず全体の構成から書きます。
メインのマシンはMacBook Pro 16インチ(M3 Pro)です。以前はIntel MacのMacBook Pro 15インチを使っていましたが、2024年にM3に切り替えました。切り替えた一番の理由はファンの音です。Intel Macは開発サーバーを立ち上げるだけでファンが回り始めて、Web会議中にノイズが入ることがありました。M3に変えてから、よほど重い処理をしない限りファンが回らなくなりました。静音性は在宅ワークでは大事なポイントです。
メモリは36GB。開発環境、デザインツール、ブラウザのタブを大量に開いていても余裕があります。以前は16GBのモデルを使っていたのですが、Figmaとコードエディタとブラウザを同時に開くともたつくことがあったので、買い替え時にメモリを増やしました。ストレージは512GB。外部ストレージとGoogle Driveを併用しているので、本体のストレージは最小限にしています。
外付けモニターはDell U2723QE 27インチを2枚。4K解像度でUSB-C接続ができるタイプです。USBハブ機能も内蔵しているので、モニターにキーボードやマウスをつないでおけば、MacBookはケーブル1本で接続が完了します。これが地味に便利で、朝の作業開始がスムーズです。以前は別メーカーのモニターとDellを1枚ずつ使っていたのですが、色味が違いすぎてデザイン作業に支障がありました。同じモデルを2枚にしたことで、色の差がなくなり、目の疲れも減った実感があります。
モニターアームはエルゴトロンLXを2本。デスクのクランプ式で、デスクが広く使えます。モニタースタンドだと高さが固定されて目線より低くなるのですが、アームなら目線の高さにぴったり合わせられます。自分の場合、モニターの上端が目線の高さになるように調整しています。この高さにしてから、首の疲れが明らかに減りました。
デスクはFlexiSpot E7。天板は140cm幅の竹天板です。昇降式で、ボタンひとつで座り姿勢と立ち姿勢を切り替えられます。天板の奥行きは70cm。モニター2枚とMacBookを置いても、手前に十分な作業スペースがあります。
椅子はエルゴヒューマン プロ。ヘッドレスト付きのハイバックモデルです。キーボードはApple Magic Keyboard(テンキー付き)、ポインティングデバイスはApple Magic Trackpadを使っています。Magic MouseではなくTrackpadを選んだのは、ジェスチャー操作がスムーズだからです。3本指スワイプでデスクトップを切り替える動作は、マウスよりTrackpadのほうが直感的です。
モニター2枚にしている理由
以前は外付けモニター1枚で作業していました。1枚でも充分だと思っていたのですが、2枚にしてみたら戻れなくなりました。
自分の使い方は、左モニターが「作業画面」、右モニターが「参照画面」という分け方です。
左モニターにはコードエディタ(VS Code)、スプレッドシート、Figmaなど、実際に手を動かすものを置きます。画面の左半分にコードエディタ、右半分にブラウザのプレビュー、という配置が多いです。
右モニターにはChatGPTやClaude、ドキュメント、Slack、メールなど、見ながら作業するものを表示します。AIチャットを右モニターに常時表示しておくと、左で作業しながらすぐに質問や壁打ちができて便利です。
MacBook本体の画面にはSlack、Discord、音楽プレーヤーなど、常時表示しておきたいものを置いています。本体画面はサイズが小さいので、メインの作業には使わず、通知確認や音楽操作に限定しています。
この配置にしてから、ウィンドウの切り替え回数が大幅に減りました。とくに開発中にAPIドキュメントを参照しながらコードを書く場面、ChatGPTの回答を見ながら実装する場面では効果が大きいです。コピー&ペーストも、画面をまたいでドラッグするだけなので手数が少ないです。
「1枚で充分」という意見もわかります。たしかに画面内のウィンドウ管理アプリ(RectangleやMagnetなど)を使えば、1枚でもウィンドウを効率的に配置できます。ただ、2枚に慣れてしまうと、1枚では常にウィンドウを切り替えるストレスが気になるようになりました。27インチ1枚と27インチ2枚では、表示できる情報量が単純に2倍違います。この差は、一度体験するとわかります。
昇降デスクを導入した効果
FlexiSpot E7は、ボタンひとつで立ち姿勢と座り姿勢を切り替えられます。高さを4つまでメモリに登録できるので、自分は「座り(73cm)」「立ち(110cm)」の2パターンを設定しています。高さの切り替えは約10秒で完了します。
使い方のリズムとしては、午前中は座って集中作業、午後は立ってミーティングやメール処理、夕方は座って締めの作業、という感じです。1日中座りっぱなしだと腰が痛くなるし、1日中立ちっぱなしだと脚がむくみます。交互にすることで、どちらの問題も軽減されました。
実際、昇降デスクを導入してから腰痛が改善しました。以前は週に2〜3回は腰が重い日があったのですが、今はほぼなくなりました。もちろん個人差はあると思いますが、自分にとっては明確な効果がありました。整体に月1回通っていたのも、3ヶ月に1回で済むようになりました。
注意点もあります。天板が140cmと広いぶん、昇降時にモニターが少し揺れます。とくにモニターアームを使っている場合は、アームの先端で揺れが増幅されます。昇降中はモニターを見ない、くらいの心構えで充分ですが、気になる人もいるかもしれません。あと、デスク自体の重量が約35kgあるので、組み立ては2人でやったほうがいいです。
椅子は最初に投資すべき
作業環境のなかで一番大事なのは椅子だと思っています。モニターやキーボードは後からいくらでも変えられますが、身体への影響が一番大きいのは椅子です。
エルゴヒューマン プロは約15万円と高価です。購入時は正直かなり悩みました。でも、座り心地とサポート力が段違いでした。ランバーサポート(腰のサポート)が独立して動くので、姿勢を変えても腰をしっかり支えてくれます。メッシュ素材で通気性もいいので、夏場でもムレにくいです。
それ以前は3万円くらいのオフィスチェアを使っていました。1年ほどでクッションがへたり、2年目には座面が固くなって長時間座るとお尻が痛くなりました。エルゴヒューマンは3年以上使っていますが、まだへたりを感じません。耐久性の面でも、結果的にコスパは良いです。
もし予算が限られているなら、椅子だけは良いものを買って、モニターやデスクは後回しにすることをすすめます。身体を壊してからでは遅いです。これは大げさではなく実感です。腰痛で作業効率が落ちるくらいなら、椅子に15万円使ったほうが生産性も健康も守れます。
ちなみに、エルゴヒューマンが合わない人もいます。体格や好みによって最適な椅子は違うので、できれば実店舗で試座することをすすめます。ハーマンミラーのアーロンチェア、スチールケースのリープチェア、オカムラのコンテッサなども評判の良い選択肢です。
総費用の内訳
参考までに、この環境を揃えるのにかかった費用をまとめます。
MacBook Pro 16インチ(M3 Pro、36GB):約38万円。外付けモニター Dell U2723QE × 2枚:約16万円(1枚約8万円)。モニターアーム エルゴトロンLX × 2本:約4万円(1本約2万円)。デスク FlexiSpot E7 + 竹天板:約8万円。椅子 エルゴヒューマン プロ:約15万円。キーボード Apple Magic Keyboard:約1.5万円。トラックパッド Apple Magic Trackpad:約1.5万円。
合計で約84万円です。以前の記事で72万円と書いていましたが、MacBookを買い替えたことで総額が上がりました。高いと感じる金額だと思います。ただ、毎日8時間以上使うものです。5年使うと仮定すれば、1日あたり約460円。コーヒー1杯分で快適な作業環境が手に入ると考えれば、自分にとっては十分に回収できる投資でした。
もちろん、一度にすべてを揃える必要はありません。自分も最初から84万円を一括で出したわけではなく、3年くらいかけて少しずつ揃えました。最初に買ったのは椅子です。次にモニター1枚、次にデスク、次にモニター2枚目、最後にMacBookの買い替え。この順番で少しずつ環境を整えていきました。
まとめ
在宅ワークの作業環境は、生産性に直結します。とくにモニターの枚数と椅子の質は、体感で大きな差が出るポイントです。
自分はこの環境にしてから、肩こりと腰痛が減り、集中力が続く時間が長くなりました。すべての人に同じ構成が合うとは限りませんが、優先順位としては「まず椅子、次にモニター、次にデスク」です。この順番は多くの在宅ワーカーに当てはまるのではないかと思います。一度に揃える必要はないので、予算と相談しながら、一番ストレスを感じている部分から改善していくのがおすすめです。
