Notionをやめてプレーンテキストに戻した話

Notionを2年ほど使って、やめました。今はObsidianとMarkdownのプレーンテキストで情報を管理しています。

Notionは素晴らしいツールです。データベース機能は強力ですし、見た目もきれいです。チームでの共有も簡単にできます。世界中で使われている理由はよくわかります。でも、自分には合わなかったです。2年使い込んでみて、はっきりそう結論を出しました。

この記事では、なぜ自分にはNotionが合わなかったのか、プレーンテキストに戻して何が変わったのかを書きます。Notionを使っていて「なんかしっくりこない」と感じている人に、一つの選択肢を提示できればと思います。

Notionを使い始めた経緯

Notionを使い始めたのは2023年の初めでした。それまではEvernoteを使っていたのですが、Evernoteの値上げと機能改悪が重なって、移行先を探していました。そのときに周りのフリーランスが「Notionいいよ」と勧めてくれました。

使い始めた当初は感動しました。ページの中にページを作れます。テーブルもカンバンもタイムラインもあります。Evernoteにはなかった構造化された情報管理ができます。これは生産性が上がるぞ、と本気で思いました。

最初の3ヶ月は夢中で使い込みました。プロジェクト管理のデータベースを作り、読書メモのテンプレートを作り、日次レビューのシステムを構築しました。YouTubeのNotion活用動画も片っ端から見て、「最強の第二の脳」を目指しました。

Notionの何が合わなかったか

問題が見えてきたのは、4ヶ月目くらいからでした。理由は大きく4つあります。

1つ目は、動作が重いことです。MacBook Proで使っていても、ページの切り替えに1〜2秒かかることがあります。ページ数が増えるほど遅くなる実感がありました。1日に何十回もページを移動するので、このわずかな遅延が積もって、ストレスになりました。特にサイドバーから目的のページを探すとき、スクロールして、クリックして、読み込みを待つ。この繰り返しが地味にきつかったです。

2つ目は、整理に時間がかかることです。これが一番致命的でした。Notionはページの中にページを作れて、データベースも作れて、自由度が高い。自由度が高すぎて、「この情報はどこに置くべきか」を毎回考える時間が増えました。プロジェクトのデータベースに入れるべきか、個別のページとして作るべきか、既存のページのサブページにすべきか。この判断を、情報を記録するたびに求められます。結果として、情報を入れることへの心理的なハードルが上がりました。

3つ目は、情報が埋もれることです。構造を凝れば凝るほど、情報が深い階層に沈んでいく。3ヶ月前に作ったメモがどこにあるか思い出せません。検索すれば出てきますが、Notionの検索は期待したほど速くありません。検索結果の表示に数秒かかるし、ヒットしたページを開くまでにまた数秒。この待ち時間が、検索する気力を削いでいきました。

4つ目は、「整理しなきゃ」というプレッシャーです。Notionの見た目がきれいなぶん、散らかっている状態が目に付く。「あとで整理しよう」と思って放置したメモが大量にたまる。それを整理する時間もまた必要。ツールを使うためにツールの整理に時間を使っています。本末転倒でした。

プレーンテキストを選んだ理由

Notionをやめたあと、いくつかの選択肢を検討しました。Obsidian、Logseq、Bear、Apple純正のメモ。1週間ずつ試して、最終的にObsidianに落ち着きました。

Obsidianを選んだ理由は、中身がただのMarkdownファイルだからです。Obsidianが使えなくなっても、他のエディタで開けます。テキストファイルは20年後も読めます。この「データのポータビリティ」が決め手でした。クラウドサービスの障害やサービス終了に振り回されるリスクがありません。

テキストファイルには「考える余地」がありません。フォルダに入れるか、ファイル名で検索するか。それだけ。構造がシンプルだから、情報を入れる心理的なコストがほぼゼロになります。新しいファイルを作って、書く。それだけで完了。

Obsidianにはファイル同士をリンクでつなぐ機能があるので、関連する情報をたどりやすい。ローカルファイルへの全文検索も一瞬で終わる。Notionのデータベース機能のような柔軟性はないけれど、自分の使い方には十分でした。

移行作業の実際

NotionからObsidianへの移行作業そのものは大変でした。Notionのエクスポート機能を使うと、Markdown形式でまとめて書き出せます。ただし、そのままだと画像のリンクが切れたり、テーブルの形式が崩れたり、Notion独自のブロック要素が壊れたりします。

結局、3日かけて必要な情報だけを手動で移しました。「全部移す」のではなく「必要なものだけ選んで移す」というアプローチ。実際にやってみると、Notionに入っていた情報の6割くらいは、もう必要のないものでした。引越しのタイミングで断捨離できたのは、結果的によかったです。

移行後の変化

移行後の変化は明確です。

メモを取る回数が増えました。以前はNotionを開くのが億劫で、とりあえずメモ帳にメモして、あとでNotionに入れようとしていました。その「あとで」が来ないことも多かったです。今はObsidianを開いて、すぐに書く。ファイルを新規作成して、日付とタイトルをつけるだけ。5秒で書き始められます。

情報を探すのも速くなりました。全文検索が一瞬で終わる。ローカルファイルの検索なので、ほぼ即座に結果が返ってきます。Notionだと検索結果の表示に数秒かかっていたのが、体感で10倍は速い。

「整理しなきゃ」のプレッシャーがなくなりました。テキストファイルは見た目がシンプルだから、散らかっていても気になりません。フォルダにファイルが増えていくだけです。それでいい、と思えるようになりました。

今の運用方法

フォルダ構成はシンプルにしています。Inbox、Projects、Archive。この3つだけ。新しいメモはすべてInboxに入れて、週に1回整理します。プロジェクトに関係するものはProjectsの該当フォルダへ、終わったものはArchiveへ。

ファイル名は「YYYYMMDD_内容」の形式で統一しています。日付順に自然と並ぶので、時系列で追いかけやすい。タグ機能はObsidianにもありますが、使っていません。フォルダとファイル名と全文検索の3つで、十分に情報を見つけられます。

クラウド同期にはiCloud Driveを使っています。MacとiPhoneでシームレスに同期できるので、外出先でもメモを確認できます。バックアップも兼ねています。Obsidianの同期サービスもありますが、iCloudで事足りているので使っていません。

テンプレートは最小限にしています。日次メモのテンプレートと、打ち合わせメモのテンプレートの2つだけ。テンプレートを増やすとNotionと同じ轍を踏むことになるので、意識的に少なく保っています。

Notionのほうが向いている人もいる

誤解のないように言うと、Notionが悪いツールだとは思っていません。チームで情報を共有する場面では、Notionの方が圧倒的に使いやすい。リアルタイムの共同編集、権限管理、コメント機能。こうしたチーム向けの機能は、プレーンテキストでは代替できません。

データベース機能を使いこなしている人にとっても、Notionの方が適しているでしょう。プロジェクト管理、CRM、ナレッジベース。こうした構造化されたデータの管理は、Notionの得意分野です。

自分の場合、一人で作業することが多いのと、情報の入力スピードと検索性を最優先にしたかったです。だからプレーンテキストが合っていました。結局、ツール選びは「自分がどう使うか」で決まります。万人に合うツールはありませんし、人気のツールが自分に合うとも限りません。

まとめ

Notionからプレーンテキストに移行して半年以上が経ちましたが、戻りたいとは一度も思っていません。完璧なシステムではないし、Notionの共有機能が恋しくなることもあります。でも、毎日ストレスなくメモを取れることの方が、自分にとっては価値があります。

ツールに振り回されるのではなく、ツールが自分に合わせてくれます。プレーンテキストにはその柔軟さがあります。高機能なアプリを使いこなすことが目的ではなく、情報を記録して活用することが目的。その原点に立ち戻れた移行でした。

プレーンテキストの限界と補い方

プレーンテキストにも当然限界があります。画像の管理はNotionの方が圧倒的に楽です。テーブルの表現力もMarkdownでは限界があります。プロジェクトの進捗をカンバンボードで管理したいなら、Notionのほうが適しています。

自分はこうした弱点を別のツールで補っています。画像はGoogleドライブで管理。プロジェクトの進捗管理はTodoistで。テーブルが必要な場面ではGoogleスプレッドシートを使います。「全部を一つのツールで完結させる」のではなく、「それぞれの得意なツールを組み合わせる」アプローチです。

この方式の欠点は、情報が分散すること。でも実際には、情報の検索はObsidianの全文検索でほぼカバーできるし、どうしても見つからなければGoogleドライブを検索すればいい。情報の分散よりも、日々の入力コストが低いことの方が、自分にとっては優先度が高いです。

2年後の正直な感想

Notionをやめてプレーンテキストに移行して2年近くが経ちました。振り返ると、移行してよかったと心から思います。戻りたいと思ったことは一度もありません。

ツール選びで一番大事なのは、「使い続けられるか」です。高機能でも使わなくなったら意味がありません。シンプルでも毎日使えるなら、そちらの方が価値があります。自分にとってのプレーンテキストは、まさにそういう存在です。

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