この記事は2025年7月に公開し、最新の情報をもとに随時更新しています。(最終更新:2026年3月)
読みたい本はたくさんあるのに、読書の時間が取れません。これは長年の悩みでした。
「積読」が20冊以上。買ったけど読んでいない本がデスクの横に積まれていきます。罪悪感はありますが、まとまった時間が取れません。在宅ワークで通勤がないぶん、「電車で読む」という時間もありません。仕事が終わったら家族との時間です。夜は疲れて本を開く気力がありません。
いくつかの方法を試して、今はそれなりに本と付き合えるようになりました。読書量が劇的に増えたわけではありませんが、「読めていない」というストレスからは解放されています。年間で20〜30冊くらいは読めるようになりました。以前は年に5冊がいいところだったので、大きな変化です。
まず、考え方を変えました
以前の自分は「本は最初から最後まで読むもの」と思い込んでいました。途中でやめると「読了していない」感じがして気持ち悪いです。学校教育の影響なのか、「最後まで読まないといけない」という強迫観念がありました。
でも、ビジネス書に限って言えば、全ページを読む必要はありません。自分に関係ある章だけ読めば十分です。著者の主張は序章と結論にまとまっていることが多いです。途中の章は事例や根拠なので、興味があるところだけつまめばいいです。
本は「読む」ものではなく「使う」ものです。自分の課題に対するヒントを探しに行く感覚です。辞書を最初から最後まで読まないのと同じで、必要なところだけ読めばいいです。
この考え方に変えただけで、1冊あたりの「読む時間」が半分以下になりました。そして不思議なことに、要点だけ読んだほうが記憶に残ります。全部読むと情報量が多すぎて、結局何も覚えていないことが多かったです。
オーディオブックを使い始めました
一番大きな変化はオーディオブックの導入です。「読む時間がない」なら「聴く時間」を作ればいいです。
AmazonのAudibleを使っています。月額1,500円で12万冊以上が聴き放題です。家事をしながら、散歩しながら、移動しながら「聴く読書」ができます。皿洗いの15分、洗濯物を畳む10分、スーパーへの往復20分。こういう「何かをしながら」の時間を読書に変えられます。
2026年現在、オーディオブックの選択肢は充実しています。Audibleに加えて、audiobook.jpも日本語書籍が豊富です。AI音声の品質も上がっていて、ロボットっぽい読み上げはほとんどなくなりました。プロのナレーターによる朗読は、本を読むのとはまた違った体験で、物語系の本は特に楽しめます。
自分は1.5倍速で聴いています。最初は早く感じましたが、1週間もすると慣れます。慣れると通常速度のほうが遅く感じるようになります。1.5倍速なら、6時間の本を4時間で聴けます。1日30分聴けば、8日で1冊終わる計算です。月に3〜4冊は聴けます。
ただし、オーディオブックには向かない本もあります。図解が多い本、データが多い本、コードが含まれる技術書。こういう本は紙かKindleで読むほうがいいです。オーディオブック向きなのは、ビジネス書、自己啓発書、歴史書、小説。文章中心の本です。
AI要約サービスを活用します
本の要約サービスも活用しています。flier(フライヤー)というサービスでは、1冊10分ほどで要点を把握できます。オーディオ版もあるので、移動中に要約を聴くことも可能です。月額2,200円で2,000冊以上の要約が読み放題です。
要約を読んで「この本は深く読みたい」と思ったら、オーディオブックか紙で読みます。要約だけで十分なら、そこで終わりです。このフィルタリングのおかげで、「全部読まなきゃ」というプレッシャーが消えました。
要約サービスは「本を読んだ気になる」ための道具ではありません。「読むべき本を選ぶ」ためのフィルターです。月に10冊の要約を読んで、そのうち2〜3冊を深く読みます。この使い方が自分には合っています。
トップ5%の社員は年平均43.2冊を読むという調査結果があるそうです。一方、一般的なビジネスパーソンは年2.4冊です。この差は「読む技術」の差ではなく「読む仕組み」の差だと自分は思っています。時間がないのではなく、仕組みがないだけです。
「15分読書」のルーティン
毎日のルーティンとして、朝の15分を読書に充てています。
朝起きて、コーヒーを入れて、15分だけ読みます。これだけです。15分なら「時間がない」とは言えません。スマホを見る時間を15分削れば、読書の時間は作れます。実際に計測すると、朝起きてからSNSをチェックしている時間は平均20分以上ありました。その時間を読書に充てるだけです。
15分で読めるのは、だいたい20〜30ページです。200ページの本なら、7〜10日で1冊読めます。月に3冊、年間36冊。これなら無理なく続けられます。
ポイントは「固定の時間に組み込む」ことです。「空き時間に読もう」だと絶対に読みません。空き時間はスマホに奪われます。決まった時間に決まった場所で読みます。歯磨きのあとに読みます。コーヒーを入れたら読みます。既存の習慣にくっつけると、新しい習慣が定着しやすいです。
もう1つのコツは「読みかけの本をすぐ手に取れる場所に置く」ことです。デスクの横、ベッドサイド、リビングのテーブル。本を探す手間がゼロだと、手に取るハードルが下がります。Kindleなら、スマホにアプリを入れておくだけでいいです。
読んだ内容を定着させます
せっかく読んでも忘れたら意味がありません。人間は1週間後には読んだ内容の8割を忘れるという研究もあります。自分がやっている方法は3つです。
1つ目は、読みながらメモを取ることです。Obsidianに「この本で一番大事だと思ったこと」を3行でメモします。3行でいいです。要約ではなく、自分にとっての気づきを書きます。「この考え方は、来月のA社の提案に使えそう」「自分がやっていることの逆でした。見直す必要があります」。こういう自分ごとのメモが一番記憶に残ります。
2つ目は、読んだ内容を誰かに話すことです。スタッフとの雑談で「この前読んだ本にこんなことが書いてあった」と話します。妻に「今日読んだ本でおもしろかったのは…」と話します。アウトプットすることで記憶に定着します。話す相手がいなければ、SNSに1行だけ感想を書くのでもいいです。
3つ目は、読んだ内容を実行することです。本で得た知識を、1つでもいいから実際に試します。「会議のアジェンダを事前に共有する」と書いてあったら、次の会議で試します。実行した知識は忘れません。
2026年はAIを使った読書記録ツールも出てきています。読書後にAIと対話することで理解を深めるサービスもあります。ただ、自分は手書きメモが一番記憶に残ると感じています。手を動かすこと自体が記憶の定着を助けます。
本の選び方
読む時間が限られているからこそ、本の選び方が大事です。ハズレを引くと、貴重な読書時間が無駄になります。
自分の基準は「今の自分の課題に直結しているかどうか」です。「いつか役立ちそう」な本は読みません。「今この問題を解決したい」という動機がある本だけ読みます。課題がない時期には、読書量が減ってもいいと思っています。
具体的には、信頼できる人のおすすめ、自分が解決したい問題のキーワードで検索、書店で目次を読んで判断。この3つのフィルターで選んでいます。SNSでバズっている本は、自分の課題に関係なければスルーします。
もう1つの基準は「古典を優先する」ことです。10年以上読み継がれている本は、それだけの理由があります。新刊は玉石混交ですが、古典は時間がフィルターになっています。「7つの習慣」「影響力の武器」「考える技術・書く技術」。こういう本は、何年経っても色褪せません。
積読は悪ではありません
最後に、積読への考え方です。積読は悪ではありません。
「買ったけど読んでいない本」があるのは、興味の幅が広い証拠です。読まない本は「今の自分には必要ない本」なだけです。いつか必要になったときに読めばいいです。無理に読もうとすると、読書が義務になります。義務になった瞬間、楽しくなくなります。
自分は積読を「個人図書館」だと思っています。いつでも手に取れる場所に本があること自体に価値があります。必要なときにすぐアクセスできます。そして、積読の山を眺めると「自分にはまだ読みたいものがある」という小さな喜びがあります。
まとめ
読書の時間がないなら、仕組みを作ります。全部読まなくていいです。オーディオブックで「ながら読書」します。AI要約でフィルタリングします。朝15分を固定します。読んだら3行メモします。
完璧な読書習慣を目指さなくていいです。月に1冊でも、年間12冊です。去年より1冊多く読めれば、それでいいと思っています。本との付き合い方に正解はありません。自分に合った方法を見つけて、無理なく続けます。それが一番大事です。
