この記事は2025年11月に公開し、最新の情報をもとに随時更新しています。(最終更新:2026年3月)
確定申告の時期が近づくと憂鬱になります。毎年のことなのに慣れません。でもAIを活用するようにしてから、かなり楽になりました。誤解のないように先に書くと、確定申告そのものをAIにやらせているわけではありません。税務判断は税理士の仕事です。AIに任せているのは、確定申告の「準備作業」です。地味だけど時間がかかる部分を効率化しています。
AIに任せている3つの作業
1. 経費の仕分け作業の効率化
毎月の経費を仕分ける作業が一番面倒でした。クレジットカードの明細やレシートを見て、勘定科目を判断して、会計ソフトに入力します。単純作業だけど量が多いです。
今は、クレジットカードの明細をCSVでダウンロードして、ChatGPTに「この明細の各項目について、勘定科目を推測してください」と依頼しています。もちろん、AIの判断をそのまま使うわけではありません。あくまで「たたき台」として使い、自分で確認して修正します。でも、ゼロから自分で判断するより格段に速いです。
特に便利なのが、定期的に発生する経費の判断です。毎月同じサブスクリプション料金が発生するとき、AIは過去の仕分けパターンを参考にして同じ科目を提案してくれます。「先月も通信費にしたから今月も通信費」という判断は、AIに任せてしまって問題ありません。
2. 領収書の情報抽出
紙の領収書をスマホで撮影して、AIに「日付、金額、支払先、内容を読み取って」と依頼します。OCR(光学文字認識)の精度は年々上がっていて、2026年現在ではほとんどの領収書を正確に読み取れます。
freeeの確定申告機能では「AIレシート要約機能」が搭載されています。レシートをかざすだけで、金額・日付・購入内容をAIが即座に解析して、プレビュー画面に表示してくれます。自分はfreeeを使っているので、この機能にはかなり助けられています。
また、「確定申告AI-OCR」という機能では、源泉徴収票や社会保険料控除証明書などの書類をアップロードすると、AIが内容を解析して、確定申告書類の該当項目に自動入力してくれます。手入力の手間が大幅に減りました。
3. 控除の適用可否の確認
「この費用は経費にできるか?」「この控除は適用できるか?」。こういう判断に迷うとき、まずAIに聞いてみます。もちろん、AIの回答をそのまま税務判断に使うわけではありません。あくまで「調べるとっかかり」として使います。
例えば「在宅ワークの電気代は経費にできるか?」とAIに聞くと、家事按分の考え方、計算方法、注意点を教えてくれます。これをもとに税理士に確認します。ゼロから税理士に質問するよりも、ある程度知識を入れた状態で相談するほうが、お互いの時間を節約できます。
2026年2月には、freeeがChatGPT向けアプリ「freee確定申告」の提供を開始しました。税理士が回答した1万件以上のQ&Aデータを活用して、確定申告に関する質問に回答してくれます。これは従来の一般的なAI回答よりも信頼性が高いです。ただし、最終判断は必ず税理士に確認します。AIの回答は参考情報であって、税務アドバイスではありません。
AIを使う前と後で変わったこと
準備時間が半分以下になりました
以前は確定申告の準備に丸3日かかっていました。今は1日半くらいで終わります。特に経費の仕分けと領収書の入力にかかる時間が激減しました。
ミスが減りました
手入力のミスが減りました。人間が数百件の経費を入力すると、転記ミスや入力漏れが必ず発生します。AIのOCR機能を使うことで、金額や日付の転記ミスがほぼなくなりました。
「わからないこと」を調べるハードルが下がりました
税務に関する疑問を、AIに気軽に聞けるようになりました。以前は「こんな初歩的なこと税理士に聞いていいのか」と躊躇して、結局自分で調べて時間を使っていました。AIなら何度でも、どんな初歩的な質問でも答えてくれます。
注意していること
税務判断はAIに任せません
これは何度でも強調します。AIが「経費にできます」と言っても、それを根拠にするわけにはいきません。税務調査で「AIがそう言ったから」は通用しません。判断に迷う経費は必ず税理士に確認します。AIは「準備」と「調べもの」に使います。判断は人間がします。
個人情報の取り扱い
確定申告には個人情報が多く含まれます。マイナンバー、銀行口座、取引先の情報など。これらをAIに入力するときは注意が必要です。
自分の場合、マイナンバーや銀行口座番号はAIに入力しません。経費の仕分けを依頼するときも、取引先名は「A社」「B社」のように匿名化してからAIに渡しています。freeeのようなクラウド会計ソフトのAI機能は、ソフト内で処理されるので、外部のAIに情報を渡すよりは安全です。ただし、どのサービスでもプライバシーポリシーは確認しておくべきです。
AIの回答は必ずダブルチェックします
AIが提案した勘定科目が正しいとは限りません。特に判断が難しい経費(交際費と会議費の境界、研修費と書籍費の区分など)はAIも間違えやすいです。AIの提案を鵜呑みにせず、必ず自分で確認します。不安があれば税理士に相談します。
おすすめのツールと使い方
freee会計
クラウド会計ソフトの中では、AI機能が最も充実していると感じます。AIレシート要約、AI-OCR、AIチャットサポート。2026年の確定申告シーズンに向けて、大幅に機能が強化されました。「入力おまかせプラン」という、オペレーターが入力を代行してくれるプランもあります。
ChatGPT / Claude
経費の仕分けのたたき台作成、税務に関する一般的な質問、確定申告の手順確認などに使っています。プロンプトのコツは、「個人事業主(法人)の確定申告に関して」「青色申告で」「令和7年分の」のように条件を具体的に指定することです。条件が曖昧だと、白色申告の回答が返ってきたり、古い制度の説明が返ってきたりします。
Perplexity
税制改正の最新情報を調べるときに使っています。出典付きで回答してくれるので、国税庁のページなどの一次情報にすぐたどり着けます。「令和7年分の確定申告で変更された点」のような質問に強いです。
確定申告の年間スケジュール
AIを使っても、作業をためこむと大変なことになります。自分が心がけているのは、月次で少しずつ作業を進めることです。
毎月やること:経費の仕分け(AIで下書き→確認→会計ソフトに入力)。領収書のスキャン(スマホで撮影→AI-OCRで読み取り)。この2つを月末にまとめてやります。所要時間は30分〜1時間です。
確定申告前(1〜2月)にやること:1年分の経費の最終チェック。控除証明書の収集。税理士への相談。確定申告書の作成・提出。
月次でコツコツやっておけば、確定申告前に焦ることはありません。「AIがあるから年末にまとめてやればいいや」は危険です。量が多すぎてAIでも処理しきれません。
まとめ
確定申告をAIで「完全自動化」することはできません。でも、準備作業を大幅に効率化することはできます。経費の仕分け、領収書の読み取り、税務知識の調査。この3つをAIに手伝ってもらうだけで、確定申告の苦痛がかなり軽減されます。
大事なのは、AIを「判断者」ではなく「作業の補助者」として使うことです。最終判断は自分と税理士がします。この線引きを守れば、AIは確定申告の心強い味方になります。来年の確定申告シーズンが来る前に、まずは月次の経費仕分けからAIを導入してみてください。
